かなり詳細な規定になっています。一つずつ見ていきましょう。
第一項では、利息を生ずべき債権について、当事者間で特に利率についての合意(別段の意思表示)がない場合、その利息の利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率によると定めています。
つまり、契約などで利率を定めなかった場合は、法律で定められた利率が適用されるということです。
第二項では、原則としての法定利率は年3パーセントであると定めています。これは、当事者間の合意がない場合の基本的な利率となります。
第三項では、第二項の規定にかかわらず、法定利率は固定ではなく、法務省令で定められた方法に従い、3年を一期として、一期ごとに変動すると定めています。
これは、経済情勢の変化に対応して法定利率を調整するための仕組みです。
第四項では、各期における新たな法定利率の計算方法を定めています。
具体的には、直近の利率が変動した期(直近変動期)における基準割合と、現在の期(当期)における基準割合との差を計算し、その差(1パーセント未満の端数は切り捨て)を直近変動期の法定利率に加算または減算したものが、当期の法定利率となります。
第五項では、前項に出てきた「基準割合」の定義を定めています。
これは、各期の初日の属する年の6年前の年の1月から2年前の12月までの各月における短期貸付けの平均利率(銀行が新たに行った貸付期間1年未満のものの利率の平均)の合計を60で割って計算した割合(0.1パーセント未満の端数は切り捨て)として、法務大臣が告示するものとされています。
これは、市場の金利動向を反映させるための指標となります。
要するに、この条文は、利息付きの債権で利率の定めがない場合に適用される法定利率について、その基本的な利率を定めるとともに、経済情勢に合わせて3年ごとに見直される変動制を採用していることを規定しています。
その変動の計算方法や基準となる金利についても詳細に定めており、透明性を持たせようとする意図がうかがえます。
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