第二節 債権の効力
第一款 債務不履行の責任等


第四百十二条 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。


条文の内容は、債務不履行における遅滞責任の発生時期を定めています。
具体的にどのような点が気になっていますか?



条文を分かりやすく整理すると、以下のようになります。

  • 確定期限がある場合(第1項): 例えば、「2025年5月10日まで」のように、いつまでに履行すれば良いかが明確に決まっている場合、債務者はその期日が過ぎた時点から自動的に遅滞の責任を負います。債権者からの特別な催告(履行の請求)は必要ありません。

  • 不確定期限がある場合(第2項): 例えば、「〇〇が完成したとき」のように、期日は決まっているものの、それがいつになるか不確実な場合、債務者は以下のいずれか早い時点から遅滞の責任を負います。

    • その期限が到来した後、債権者から履行の請求を受けた時
    • その期限が到来したことを債務者が知った時
  • 期限を定めなかった場合(第3項): いつまでに履行すれば良いか特に定めがなかった場合、債務者は債権者から「履行してください」という請求を受けた時点から遅滞の責任を負います。



この条文は、債務者と債権者の間の法律関係を明確にする上で非常に重要です。
どのような状況で遅滞責任が発生するのかを事前に定めることで、紛争を予防する役割も果たしています。