債権者代位権を行使する際に、その対象となる権利(被代位権利)が分割できる場合に、債権者の方がどれだけの範囲でその権利を行使できるのかを定めた条文です。
簡単に言うと、分割できる権利については、債権者は自分の債権額に見合う部分だけを行使できるということです。
もう少し詳しく見ていきましょう。
- 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、
- これは、債権者の方が債権者代位権を行使しようとする際に、その対象となる債務者の方の権利の内容が、金額や数量のように分割できるものである場合を指しています。例えば、債務者が第三者に対して100万円の貸金債権を持っている場合などが考えられます。
- 自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。
- この部分が重要で、上記の例で債権者の債権額が50万円だった場合、債権者は債務者が第三者に持っている100万円の貸金債権のうち、自分の債権額である50万円の範囲でのみ、代わりに請求したりすることができるということです。全額の100万円を自由にできるわけではありません。
この条文のポイントは、被代位権利が「可分」であることです。
もし、その権利が性質上分割できないようなものであれば、この条文は適用されません。
例えば、特定の絵画の引き渡しを求める権利などは、通常分割できないと考えられます。
この規定があることで、債権者は自分の債権を保全するために必要な範囲で権利を行使でき、一方で、債務者の権利や第三者の立場も不当に侵害しないように配慮されています。
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